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自分に出来ること

あの震災の日から3ヶ月が過ぎ、仙台の中心部はかなり以前の状態に戻った。
でも沿岸部ではいまだに瓦礫の撤去が進まないところや
ライフラインがまだ復旧していないところ、悪臭や冠水などに悩まされているところ
二次被害で大変なところなど、まだまだ先の見通しがたたないところも多い。

たとえ直接の被害はたいしたことがなくても、被害が無いことや何も出来ないことに
罪悪感を覚えていたり、無力感に苦しんでいたり、
被災の状況も、心の状態も本当に一人一人があまりに違う。

震災直後とその一週間後の私の番組は災害の緊急特番でとんだが
それ以降は毎週私も番組を作り続けている。

少しでも希望を感じられる曲。
勇気や力になりそうな曲。
癒され、心が安らぐ優しい曲。
前向きな歌詞の曲。
新しいパワーが含まれている新曲・・・・。
色々な曲を自分の気持ちに合わせて選び、番組を制作してきた。
そして毎回、その時に自分が感じていることなどを話して来た。

でもあまりに一人一人の状況が違うので、
いつも番組を収録した後、これでいいのだろうかとか、
私の言葉で誰かを傷つけていないだろうか、嫌な気持ちにさせていないだろうか、
押し付けになったり、独りよがりになってはいないだろうかと
録音をやり直ししたくなってしまっていた。
時々怖くすらなっていた。

実際、山元町で家を流されたさりなちゃんに住んでもらうため
実家の家財道具等沢山の荷物を処分した話を収録した後は
「自分の家も思い出も何もかも失った人が聞いたら
処分という言葉に傷付くかもしれない」と
翌日FMにお願いして、表現を変えて収録をやりなおしさせてもらった。

私はどんな状況であっても、希望を信じている。

この未曾有の大震災は大変な状況をもたらしたけれど
でもここから新しい未来を構築するということを私達はやっているのだと信じている。

私は光を常に見続けている。
その意識はまったく揺らいでいない。

曖昧な言葉だけを語るのではなく、自分の想いに正直にありたいと思っているし
顔をあげて笑顔でそれを語りたいと思っているので、
人によっては受け入れられない人もいるかもしれない、と思う。
誤解されるかもしれない、とも思う。

でも、でも、私は思う。

先日の日記に「FLEET FOXESの曲は死について歌っているのに
サウンドは透明感があってとても軽やかだ」と書いた。
それは苦しみを見ているのではなく、命そのものを尊び、賛美し
その輝きを見ているからなのではないかと。
哀しみはあっても、大きな宇宙の営みのなかで
いのちそのものはかけがえのない愛おしく美しいものだ。
そこだけを見ていれば、私達は光のもとを歩み続けることが出来る。

そしてどこを見ているかで、伝わるものは違う。

その想いは、たとえすぐにうまく伝わらなかったとしても
きっと気づかないところで静かに浸透し、
希望の種としてやがて芽吹く時を待つことが出来るのだと。

だから誤解を怖れず、いのちの素晴らしさと、
希望のひかりを見続けながら語り続けよう。


それぞれが出来ることは違う。
だから比べることなく、あせることなく、自分の場所で
自分が出来ることをしよう。
希望の新しい未来だけを信じて。
想いは力だから。創造するエネルギーだから。

さあ、今日も番組が始まる。
by chandra-k | 2011-06-12 23:59
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